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くさい奴のくさいページ


by kate_matsushima

ダウン症の指揮者、舟舟(ジョージョ−)

たまたまチャンネルを教育にしたのだ。
たまたまだった。

画面に映し出されたのは、タクトを振るうダウン症の青年である。

彼の名前は『舟舟(ジョージョ−)』
父はオーケストラのチェリストで、子供の頃から父の傍らで音楽と触れていた。

父は、息子がダウン症と知って絶望したという。
母は毒薬を2人分用意して、自分が死ぬ時、このこも道ずれに、と覚悟していたという。
その苦悩は、はかりしれない。


あるとき、奇跡が起きた。
楽団の父の友人が6歳の舟舟にタクトを握らせ、指揮をさせてみた。
すると、舟舟は
「カルメンをやるよ」
といって、いきなり指揮をはじめたという。
テンポもリズムも曲のサイズも、一部の狂いもなかったという。
それを見て、父は息子の音楽に対する情熱を知ったそうである。

今では、世界中50カ国、300講演を超える演奏をしているという。
日本講演も、この間終えたばかりだと言う。

その、タクトをふる舟舟は、いきいきとして、
一つの独特の空気を作り出していた。
細かく刻むテンポは早くなったりするのだが、
曲のおおまかなポイントはきちんと押さえている。

楽譜も読めない、字も読めない、
聞き覚えでタクトをふる。


何よりも、その指揮が映像的なのだ。
音楽を映像でとらえているんだろうか。
指揮を見ていると、そんな感じがする。

大きなうねりを、両手を広げて、まるで鳥がゆっくり羽ばたくように表現する。
木管楽器の高音パートの、細やかな動きの時は、まるでコマネズミが地面を駆け回るような動きで表現する。
すべて、視覚的なのだ。

すごい。
見ていて、見入ってしまう。
なんだか、音楽に合わせて踊っているようにも見える。

オーケストラを目前に、空気に絵を描いているようにもみえる。

そう、まさしく、絵を描いているのだ。



なんだか、見ていて気持ちいい。
こちらまで、空気に浮遊して行くような錯角。


音楽って、すごい。
すごい力がある。
by kate_matsushima | 2005-02-28 15:04 | つぶやき